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・フロイト(Freud,S)は、『局所論』において、人の心を「意識」、「前意識」、「無意識」の3つに区分しました。
・「意識」というのは、普段、私たちが使っている領域で、いわゆる「心」になります。一般的な(日常的な)記憶もこの部分にあると言われています。
・「前意識」は、その境目で、「意識」、「無意識」の情報の行き来をコントロールする部分です。
・「無意識」とは、心の大部分を占める領域で、トラウマになっている記憶などは、この部分にあると言われています。
・ヒプノセラピー(催眠療法)で目指す過去の記憶は、「前意識」よりさらに奥のこの「無意識」の中にあるものです。
・つまり「意識に表出していない」=「憶えていない事」なのです。
※イメージセラピーの特性上、初めのうちは、抽象的な投影や、顕在意識の願望などが、混ざる事があります。
・物事には「原因」と「結果」があります。
・「結果」を変えるには、その「原因」を理解する事が大事になります。
・ただ、上で書きましたとおり、トラウマは「無意識」の部分に潜在した記憶です。
・これをいかに引き出せるかがヒプノセラピー(催眠療法)のポイントになります。
・ヒプノセラピー(催眠療法)を受けた方がよく驚かれるのが、催眠の浅さです。
・普段の意識状態とあまり違いが無いのが特徴です。(中にはボーッとする方もおられますが。)
「もっと深く催眠をかけてほしい」と言われる方もおられますが、深くかけないちゃんとした理由があります。
分かりやすく、「夢を見ている状態」で説明しましょう。
「夢を見ている状態」の方が、ヒプノセラピー(催眠療法)より深い状態になります。
深い状態のメリットは、「意識」の働きが弱くなるので、「無意識」から情報が表出しやすい状態になります。
ただ、それがデメリットでもあります。
まず、「意識」の働きが弱くなりすぎてしまうので、体験の記憶をセラピー後に保持する事ができません(夢を見た後はすぐに忘れます。)
次に、「意識」によるコントロールが効かなくなります。(人間は空を飛べませんが、夢の中だと飛んでしまいます。
つまり、「意識」の中の常識や概念が伝わりにくくなります。)
3つ目に、「意識」の情報がうまく使えず、分析できなくなります。
(お母さんの顔、以前に住んでいた家など、「意識」にある情報がうまく伝わりません。)
そして何より問題なのが、主導権を誘導者(公認心理師)に完全に委ねてしまう事です。
見たくないトラウマを無理に見せられたり、体の自由を奪われるなんて考えただけでゾッとします。
(逆に国内外問わず催眠療法による事故や事件の多くは、このような深い催眠深度で起こっています)
つまり、いかに普段の意識状態を残したまま、「無意識」の情報を引き出せるかが、重要なのです。
これらの情報を知っていただく事が、ヒプノセラピー(催眠療法)を成功をさせる重要なポイントになります。
・子供と大人の心では許容量(ストレス耐性)や考え方が違います。
・同じ一人の人間においてもそれは同様です。
つまり、子供時代のトラウマをただ見た所で、今のあなたには、何の事だか分からない事なのかもしれません。
・退行催眠とは、「その(テーマの)時点でのあなたに戻りなさい」という暗示の入った催眠です。
・退行催眠を使う事により、「前意識」を介して、意識が今のあなた、「無意識」が過去のあなたというふうにつながり、その全てを同時進行で体験できます。(変性意識状態)。
この状態ですと、子供の視点で感情を伴い、トラウマを再体験し、それを大人の視点で冷静に分析し、大人の知能、経験での解決を図れます。
・今のあなたなら大丈夫だという事を「無意識」に理解させる事こそが、退行催眠の目的なのです。
・ヒプノセラピーは、普段に近い意識状態で行われるものであり、成功させるには、誘導者(公認心理師)との信頼関係が大事です。(ラポール)
・そのために、事前にしっかりとした施術説明でクライエントの不安や催眠に対する誤解を解き、なおかつカウンセリングで、しっかりと誘導のポイントをつかんでおく事が必須です。
・鷹宰心理療法所では、このような考え方に基づき、(特に初回は、)カウンセリングと施術説明に重きを置いておりますので、セラピーが長時間になる事もございます。